皆に背を向けて、洋館の扉をギィ……と軋ませながら開ける。


扉の隙間から差し込んだ日差しが、視界を照らした。




あぁ、そういえば。

私が神雷に入って、今日でちょうど3ヶ月だ。


時が過ぎるのは早いな。



たった3ヶ月、されど3ヶ月。



めちゃくちゃ振り回されたし、疲労を感じない日はなかったし、うるさくて仕方なかったけど、すごく楽しかった。


濃くて、激しくて、カラフルな3ヶ月を、私は一生忘れないだろう。



もし忘れちゃったらごめんね。





「幸珀……!」



ここで副総長が私を呼ぶなんて、意外だ。


振り向いて、乾いた笑顔を顔に貼り付ける。




「私、神雷やめるね。バイバイ」




じゃあね、皆。


こんなひどい私を、許さなくてもいいよ。

ズタボロに罵ってもいいよ。



でも、どうか……どうか。


これからも、時々、皆のことをほんのちょっとだけ、想わせてほしいな。



忘れてなかったらだけど。






そして、――バタンッ。

扉は光を拒むように、重く固く閉ざされた。