「ほら行くよっ」

「いっ!?」


剛の横を通りながら、剛の背中を強く叩いて気合いを入れてあげた。



涙目になってる剛を横目に、ニヒヒと笑う。


それくらい痛がってくれないと、叩いた意味がない。




まだ覚悟ができていない剛と、路地を抜けて神雷のたまり場へ向かった。



心なしか……いや、絶対に、歩くスピードが遅すぎる。

どうしてだ?



不意に視線を落としたら、原因に気づいてしまった。



剛の歩幅が、明らかに狭い!


1歩の幅が、小学生並。


そんな剛に、無意識に合わせてたよ!

どうりでスローペースなわけだよ!



「剛、普通に歩いてくれない?」


「俺は普通だけど?」


「これのどこが普通だ!!」



カメさんもびっくりの遅さだよ!!


自分で気づいてなかったのか!?