放課後になった。





私は家には帰らずに、ブレザーの制服のまま、とある場所へ来ていた。


ピンポーン、と軽快にインターホンを鳴らす。



インターホンに内蔵されたカメラで訪問者が私だと認識し、慌てて扉を開けた人物に、極上の笑顔を作った。



「ごーうくーん!あっそびっましょー!」


「な、なんで……!?」



非常に困惑している十蔵寺剛は、相変わらずこの家には不釣合いな洋服を着ている。


和服の方がかっこよさ倍増するのに、もったいないなぁ。



「あんたが言ったんだよ?」


「え?」


「『たまり場には近づくんじゃねぇ』って。だから、こっちに遊びに来たの」



ちょうど証拠を手に入れたかったし、ナイスなアイデアでしょ?




「こっちに来たって、中に入れるわけねぇだろうが」


「いいの?」



何が、と言いたげな様子で、眉間にしわが寄っていっていた。