「僕だったら、手がかりになるようなものは、全部隠滅するけどなぁ。証拠は無い方がいいでしょ?」


「確かに、そうかもね~!」



十蔵寺剛は、正体を知られてすぐに去ったほど、急いで神雷から逃げたかった。


なのに、“自分が神雷にいた証”になるようなものを置いていくなんて変だ。



こんなの、家出した子どもが「探してください」ってダイレクトに頼んでいるも同然だ。




十蔵寺剛って、何なの。


かまってちゃんなの?

実はめんどくさいタイプのツンデレなの?



「弘也、手紙貸して」


「ほーい」



弘也から手紙を受け取ったと同時に、さっぱりしたたかやんが遊戯室に遅れて入ってきた。


たかやんの爽やかさにマイナスイオンを感じながら、手紙を読んでみる。