そして、私達はざわざわ騒ぎながら、

たかやんが洋館内に完備されたある、シャワー室でシャワーを浴びている間に、遊戯室へ移動した。



そこで、遊び道具の置き場所である棚の奥に保管されていた、十蔵寺剛の手紙を見た。



その手紙は、封筒にも入ってなければ、便箋ではなくチラシの裏を利用した、手紙とは名ばかりのものだった。



何この手抜きさ。

バカにされてるみたいで、イラッとくるな。




「この手紙、いつもらったの?」


「剛さんが神雷をやめる前に、幹部室に置いていったものらしいよ」


「置き手紙ってやつか」


「ちょっと違う、かな」


「えっ、違うの?」




真修の説明に真剣に補足したつもりなのに、まさかの不正解。


恥ずかしい間違いをしてしまったから、今のはなかったことにしよう。



記憶消去。よし、これでオールオッケー。テイク2だ。



「やめる前にわざわざ残した手紙、か……」


「それがどうかしたのー?」



弘也が手紙を手にしながら、興味津々に聞いてきた。