救ってほしかったら、ちゃんとSOSを発信しなよ。
どうせ何も話せないなら、思わせぶりなことしないでよ。
たかやんが、弱音を吐き出せる覚悟を決めて、悩みを秘める癖を卒業できたら、「もーういいよー」って私を呼んでよ。
そしたら、聞いてあげる。
「たかやんには、話したいことは特にないんでしょ?」
気になるけど、土足で踏み込んだりはしない。
上辺だけの繋がりも、友達ごっこもごめんだ。
私達はあくまで“悪”なお仲間。
独りでも前進できるようにならなくちゃ、不良なんてやってられない。
そうでしょう?
「じゃ、聞いてくれてありがとね」
私はたかやんに素っ気なく背を向けて、広間を去ろうとしたら、
「ま、待てよ」
「なに?」
たかやんが、震えた声で引き止めた。



