パトロールを終えた、午後9時。


疲れきった状態で、洋館に戻ってきた。




予想外だった。

2時間も巡回するなんて、聞いてないぞ!



さらに、予想外だった。

師匠と真修のお守りは。


……詳しくは聞かないでくれ。思い出したくもない。




ホールで鬼ごっこ(かどうかはわからないがそのような遊び)をしていた弘也と桃太郎が、私達を出迎えてくれた。




「おっかえり~」


「遅かったな。……つーか、弘也!頭に顎をのせんじゃねぇ!重てぇんだよ!!」


「わあ、気づかなかったー」


「棒読みじゃねぇか!」




うわ、弘也、白々しい。

絶対わざとでしょ。



ぎゃーぎゃー騒ぐうるささにまじって、階段の1段目の端に置かれたスクールバックから、

ピコン、ピコン、ピコピコピコピコピコン……!

と、メールを受信した音が猛烈な勢いで畳みかけられた。



うげ、音からして、すごい通知来てる。



「あのカバン、誰の?」


「鳴ってますよ?」



私と真修が指を差せば、弘也が「あ、僕のだ~」とゆるく挙手した。