心臓がドクンと軋んで、喉がヒュッと締め付けられる。 なんで、ここにあいつからの手紙が? まさか夜中にベランダから侵入したの? 前髪を撫でたあの手は、もしかしてあいつの手? きっと、そう。 最悪な答えだ。 眩暈がする。 私は衝動的に手紙を見ることなく、封筒ごと破いた。 跡形もなく、ビリビリに。 「……もう1回、寝よう」 手紙だった白い紙を捨てて、あくびをしながらベッドに入る。 いい夢が見れますように。 あいつのことなんか、忘れられますように。