ケーキを買って家に帰ると双子はテレビを見つつ宿題をやるというどっちつかずな状態でいた。

「ただいま、2人とも早く宿題片付けちゃいなさい!」

台所で手を洗いながら、リビングのローテーブルを占拠している2人に声を掛ける。

「はーい、もうすぐ終わるよ」

そう返事が聞こえたので、私もお茶とケーキの準備をする。


そこに、スマホがSNSの受信音を立てる。

『ピローン』

音がしたので画面を見ると、悠斗さんからのメッセージだった。

それを開いてポチっとお友達追加を押す。
まさかのSNSメッセージに、私は同様を隠せない。

メッセージは、こう書かれていた。

「お盆休みどこか予定に空きはある?出来たら早めに会って話したい」

それに、私は既読したので急いで返信を打ち込んで送る。

「お盆休みは特に予定も無いので、いつでも大丈夫です」

悲しいくらい予定が無いので、こんな返信だ。
明日朝のうちに双子を空港に送ると、私は今年は1人で夏休みである。
双子は仕事でオランダにいる両親の元に夏休みの旅行がてら行く事になっている。

その出発が明日の朝の便なので、今日はこの後は私もお風呂に入って寝なければならない。
返信してスマホをポケットにしまうと、聞いてくる声がした。

「お姉ちゃん、宿題終わったよ。ケーキは?」

「ほら、こっち来なさい」


ダイニングテーブルにはショートケーキとイチゴのタルトとモンブラン。
見事にバラバラであるが双子の好物はイチゴである。