いじめっ子には愛の鉄槌を






カフェにいる他の客が驚いてあたしを見て、慌てて俯く。

平静を装うが、鼓動は止まりそうに速い。

そんなあたしに晴哉さんは告げる。





「僕も淳太は桃華ちゃんをいじめて笑っているだけだと思っていたけど、淳太ってきっと桃華ちゃんが好きだったんだよ」





その言葉に何も言えない。

ただひたすら鼓動だけが聞こえる。





「昔さ、あの地区に変質者が出る時期があって、僕たちはちょうど怪しいおじさんを見つけたんだ。

そのおじさん、明らかに桃華ちゃんを狙っていてさ、物陰から桃華ちゃんを見てたり、後をつけていたりしていた」



「えぇ!?」





全く知らないその事実に驚くばかりだ。

あたしは変質者になんて、会ったことはない。