庵side
雷神の倉庫に入ってある男が出て来た時から、灯の様子がおかしかった。
「早く、戻ってこないと…そこにいるSOROMONの子たち殺しちゃうよ?」
戻って来る?どう言うことだ?
お前はそんな奴の言う事を聞くのかよ…
正直灯の事情は知らねーが、イラっとした。
「灯!そんな奴の言う事に耳傾けんな!俺らはぜってー負けねーから!」
そう行った瞬間灯の表情が変わった…気がした。
雷神の奴らは大半がヤクやってるから、弱い割りに据わった目をしてる
「庵、あいつは私にやらせて…」
そう言った灯は何かを決心したようで…
俺は灯を止めなかった。
灯を見守りながら俺は俺の戦いに専念した。
「………」
「い、やだ…やだ…嫌だぁぁぁぁぁ」
突然灯が叫んだと思ったらあの男の上に馬乗りになって殴り出した。
パシッ!
「もうやめろ。お前は…そんな奴のために…お前が手を汚すことはない。お前は勝ったんだ。」
「うわぁぁぁぁぁ!」
灯が泣いた。
弱音すら吐かなかった灯が泣いた。
俺は灯を抱きしめて頭を撫でることしかできなかった。
「い、おり…ありが、と」
そう言った後灯は意識を失った。
「おい、睦月、車回せ!病院行くぞ…」
「…分かった。」
「私と羽伊と楓は残って後処理をしておきます。」
「あぁ頼む。」
全くいい仲間を持った。俺以上に幸せな奴はこの世にいるだろうか…
俺は倉庫を後にした。