そこにいたのは流羽だった。 思わず名前を呼びそうになったのを堪えた。 公認カップルとして噂された時期はあったけど、それは流羽が今より売れてない時期であって。 もう今は付き合ってるなんて信じてる人はほんのわずかで、私も学校内ではいつしか隠すようになった。 流羽は一瞬私を見て 「邪魔してごめんね?」 …と営業スマイルで言って通り過ぎた。