流羽は映画の主役に抜擢されてから


当たり前だけど前よりずっと注目されるようになった。


前よりも雑誌やテレビに出る機会もすごく多くなって、

学校に行けないのはもちろん、家に帰らないことも増えてきた。

そのせいか、学校では私と流羽が付き合ってることはごく一部しか信じないようになった。

だから私たちは変な噂が立たないように学校内では他人のふりをしている。

流羽はそんなの気にしなくていいって言ったけど、私が気にしちゃう。

芸能活動の邪魔にだけはなりたくない。


だから今の私には、
こうやって一緒に登校できることがとっても大切なこと。


周りにバレないように流羽はマスクしてるけどね。



私は流羽の背中を見てそっと微笑んだ。