恢斗達も平然としてるけど
本当は怖くて仕方ないんだと思う。


だって…私達は
死の間際にいるんだから…。


「柚姫……澪夜……ずっと一緒、だから、ね……離れちゃ、ダメ、だからね…!」


莉香が涙ながらに叫び、
私と柚姫はそれに応じて叫び返す。


思いを、今までの感謝を。


「うん……っ澪夜ちゃんも莉香ちゃんも
私の一生の宝物だよっ……」


「当たり前でしょっ…大好きだよぉっ!」


泣き腫らした真っ赤な目で


無理やり笑顔にして、笑った。


2人に出会えてよかった。
そう思いながら。


時間は見なかった。零時を意識したら
眠れないと思うから…。


布団をふかくかぶり、
私達は手を繋いだ。


真ん中の私の両手から
じわじわと伝わる2人の体温は


私の心も涙も溶かしてくれた。


いつのまにか私達は
意識を失うようにして深い眠りへついた。


そんな涙に濡れた3人の夜を…


私達の誓いを…


聞いていたのは
カーテンからひっそり顔を出し


真っ暗な空を煌めきながら彩っている


不気味なほど綺麗な満月と…


無数に広がる広大な
星星だけだった。


2000/8/3 23:52

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