「本当に死にたい人は死にたいって言ってる時間すらきっと生きてたくないよ。口に出す前にきっと死んじゃってるんじゃない、かな」



「へぇ」




「いや、だから、私はそこまで行ってないっていうか、死にたいけど死にたくないっていうか、」




「ふはっ!」





うわ、笑われた。


早川くんだって冗談かもしれないのに、なに真面目に返しちゃってるんだろう私。めちゃくちゃ恥ずかしいじゃん。




恐る恐る顔を上げると、早川くんとバッチリ目が合って。




「ねぇ、名前は?」



「あ、天野希帆ですけど」



「希帆、ね。面白いね、あんた」



目に涙を浮かべながら大笑いしている早川くんのツボがイマイチ分からない。




そんな変なこと言ってないはずなのにな。