宗雄と初めて会ったのは、怜がいつも通っている塾のロビーだった。



週に何度か会い、互いに顔を覚え、話すうちに仲良くなった。



そして、怜は宗雄の面倒見の良さと、優しさにどんどん惹かれていった。



怜より1つ年上で、学校では話す機会が全くないので、時々こうして校門の前で宗雄を待ち伏せているのだ。



できることなら、一緒にどこかへ出かけたい。



あわよくば、付き合いたい。



そう思うのだが、怜がいくら声をかけても、宗雄は怜の誘いになろうとしなかった。



『用事がある』



『行くところがある』



何かと理由をつけては、いつも1人で帰ってしまうのが、怜は悲しかった。