逆恨みというケースも考えたけれど、女子からも男子からも、美咲へ対する悪評は出て来なかった。


「美咲のことが好きで誘拐した人って、誰?」


千夏が自分の体を抱きしめるようにしてそう言った。


未だ見つからない美咲に、千夏の顔色は悪い。


「俺じゃないぞ」


大成がすかさず言う。


「わかってるよ、ごめんね大成」


大成は美咲の事を本気で探している。


そんな大成を少しでも疑ってしまったことを、あたしは今は反省していた。