「お昼休みに会社の同僚の人たちに、スノードームを取り扱ってるお店がどこかにないか聞いてたみたいなんだ。携帯でも色々と調べていたらしいの」


弔問にやって来た同僚の人がお母さんに話してたのを、こっそり聞いてしまって知った事実。


インターネットで探し当てたお店に事前に連絡まで入れて、仕事を定時に切り上げて、買いに行こうとしていたらしい。


「“娘の悲しむ顔を見るのが一番辛い、娘の笑顔が何よりの幸せだって改めて痛感した”って、同僚の人に話してたんだって」


私が、“元に戻してよ”とか“大嫌い”とか辛辣なことを言ったばっかりに…。


事故に繫がる原因を作ったのは私だ。


「どうして、それがお前のせいになるんだよ」


壱夜くんは切なげに眉を寄せる。


「だって、私が酷いことを言わなければ、お父さんは…」


「莉彩」


私の名前を呼ぶ声は、とても優しかった。