あ!お母さん今日私の好きなミニハンバーグいれてくれてる。ラッキー。


弁当の中に好物があって少しだけテンションが上がった。


お箸をとりだし、早速、ハンバーグに箸をつけようとしたその時。


「結茉~!」


教室の入り口から聞こえてくる聞き覚えのある声に思わずピタリと固まった。


「…あ、万純…」


「ちょっと、結茉。何でなんの報告もないのよ。昨日からずっと待ってたのに!万里に聞いたって全然教えてくんないしさ」


と、怒っているのか少しだけ頬を膨らませ、スタスタと、私の前まで歩み寄る万純。


「…いや、あはは…。あのね、報告しようと思ってたんだけど…まだ、自分の中で整理がついてないと言いますか…」


「いいわけなしだからね。ほら、ちょっとこっち来て。昨日の話、洗いざらいしてもらうんだから!」


グイグイと、私の腕を引っ張り、万純は私に立つように促す。