『発車します』


目の前で、バスのドアが閉まっていく。


それと、同時に万里くんも視界から見えなくなった。


ゆっくり動き始めたバスを目で追い、私は、今日の出来事を一つ一つ思い返す。



初めての合コンを体験


馨と鞠子先輩のデートに遭遇


万里くんからの告白



あー…ダメ。やっぱり、キャパオーバー。


自分の中でも色々ありすぎて整理がつかない状態だ。


家へと続く帰り道。


私は、頭を抱えて項垂れる。


明日の万純への報告も頭が痛い。一体、なんて、言えばいいのだろう。


そんな思いを抱えつつ、私は、ハァ…と、小さいため息をついたのだった。