「…あぁ、ありがとう。でも、大丈夫。自分で行くから」


と、牽制しているつもりなのに


「ホント?じゃあ、私も一緒に行こうかなぁ…万里くん一緒に行こう?」


なぜかドリンクバーまで一緒に行くことになってしまう始末。


…この子、男慣れしてるな


思わず、そう感じてしまうくらいスムーズに男の懐に入ってこようとするテクニックに俺も少し面食らってしまう。


健吾だったら、遊ばれて終わるな…絶対。


俺は、コーヒーを入れながら、ふと、そんなことを思い心の中でクスッと、笑みを溢す。


「んー私は、カフェラテにしようかなぁ。私、苦いのダメだから、万里くんみたいにブラック飲めないんだよね」


と、葵ちゃんは、俺に向かって笑顔で話しかけてくる。


さて、どうしたもんか…。


結茉ちゃんが戻ってくる前には彼女をかわしておきたいけど。