すると、


「へぇ~、私にそんな態度とっちゃっていいんだ?せっかく私が万里の恋応援してあげようかなって思ったのに」


なんて、急に言ってくる妹に階段を上っていた俺の足がピタリと止まる。


「…そういうのいいから、余計なことすんなよ」


万純に引っ掻き回されたら上手くいくものも絶対に上手くいかないことを俺は、小さい頃から学習していた。


「なによ~。万里なんか、結茉の連絡先だって知らないくせに」


うっ…


痛いところをつかれた。


正直、俺と結茉ちゃんの関係って親友の兄ってだけだもんな。


本当はずっと聞きたかったけど、そこまでの関係性になってなくてずっと聞けずにいた。



「…次の合コンでは聞くつもりだし」


ボソッと、反抗して言葉を紡ぐと


「いいの?そんな悠長なことばっかりして、万里が全然行動に移さないから結茉が意識しないんだからね!?だから、いつまでたっても…馨から結茉の心が離れられないのよ…ハァ…とにかく!万里!馨とあんただったら100歩譲って万里の方がマシ。だから、頑張ってよね!」


貶してるのか、励ましてるのか、万純はそれだけ言うと、俺の背中をバシンッと、叩く。