「えっと…」


少し言いにくそうに、万里くんは、言葉を濁す。


…どうしたんだろ?


いつになく、不安そうな表情の彼。


しかし、ようやく意を決したように、私に向き直り、


「…あのさ、今さらだけど結茉ちゃんの…」


と、何か言いかけた時。


「万里くんっ!結茉ちゃん、お話しまざってもいい?」


唐突に葵ちゃんが話に割って入ってきた。


「う、うん…もちろん、ね。万里くん?」


「…そうだね」


「急に話に割り込んじゃってゴメンね…何の話してたの??」


グイグイ、私の隣から万里くんのようすを見てくる葵ちゃんは、笑顔でそう問いかけてくる。


あ…そろそろ、場所変わってあげなきゃだよね?



そう思った私は、


「ちょっとお手洗い行ってくるね」


二人にそれだけ言い残し、席を立った。