「それってどういう意味?」

そんな私からの質問に対し、未だに黙り込む馨にいい加減、腹が立ってきた。

こっちの質問答えないつもり?私のこと散々振り回しておいて、この男は…。

怒りを通して呆れてくる。

鞠子先輩と万里くんが観覧車の方に向かってからかなり時間も経っている。

そろそろ2人ともこっちに戻ってくるはずだ。

観覧車の方をチラチラ気にしながら、私は小さくため息をつく。

そして、

「あのさ、私そんな難しい質問した…?馨が話したくないなら無理には聞かないけど…。てか、そろそろ万里くんたち戻ってくるよ。私達も2人迎えに行かなきゃ」

と、声をかけて立ち上がった瞬間、

馨は、引き止めるように私の腕をギュッと握った。