鞠子side


「…ハァ」

私は、小さくため息をついて観覧車から外を眺めた。

どんどん高くなっていく景色と対照的に小さくなっていく2人の姿を目の端で追う。

「…で、どういうつもりです?」

唐突に目の前に座る万里くんに声をかけられた。

「…何が?」

シレッと質問を交わそうとしてみるものの

「馨くんと結茉ちゃん2人きりにしてどういうつもりなのかなって。いいんですか?馨くんのことちゃんと好きなくせに。」

核心をつかれて少しだけムッとし、思わず

「…それを言うなら万里くんだって同じよね?結茉ちゃんのこと好きなくせに。こんなところにいていいの?引っ張ってきたのは私だけど素直についてきてくれるからちょっとビックリしたわ」

と、言い返してしまった。