「大丈夫?ごめん、前見て無かった‼


此処に入院してる子?」


私の着てる服を見ていってるんだろう。

『うん。』


なんて言えばよかったのか、わからない。


友達なんていないし、ずっとこの白い壁の中に住んでるんだから。


「ふ~ん、そっかぁ。あたし、101号室に来たばかりの美咲だよ、よろしく!」


美咲―――――――…………その名前どっかで聞いたような。



考えるより先に、少女は、握手を求めてきた。


私は、それを躊躇わず握り返した。