他愛ない話をしながら、少女達は、この時‥‥気づいてた。


もうすぐ、別れが訪れることを‥‥‥―――



だけど、どちらも口には出さない。


心臓移植まで、後二日を切ろうとしていた。


「もうすぐ、0時だね。話すぎた。遥。大丈夫?眠くない?ん、遥、寝ちゃったの?」

そっと、遥の手を握る。


冷たい腕。すぐに、遥の様子が変だと、気づいた。


あたしは、ナースコールに手を伸ばす。

すり抜ける体。


「ッッ。遥、待っててね‼」



あたしは、遥の部屋を飛び出した。