病院食を堪能し、茶を啜るとガラリ、とドアが開いた。


『お母さん?帰ったんぢゃ―――「遥、101号室には行かないで」


「101号室には行かないで」、確かにそう聞こえた。



『お母さん?

何いってるの?あ~そっかぁ、噂聞いたんだ。

心配いらないよ。

あの病室にはちゃんと、いるから。


誰がホラ吹いたか知らないけど、あそこで、美咲って子が亡くなって今誰もいないなんていうんだよ。


あたしは、さっきその美咲にあってきたの。

だから、大丈夫!!』


笑顔で笑う私を一瞥して、少し微笑み私を抱き締めるお母さん。


「お母さんは、遥の味方よ。


遥、大好きよ」



お母さんは、わかってくれた。


それが、嬉しくて抱き締め返した。