「お待たせ」



コンビニで雑誌を読んでいると後ろから竜くんの声が聞こえる。



「竜くん、お疲れ」


「茜もな」


「見つからないうちに車行こうか」



竜くんの背中を押してコンビニから出る。


いくら、会社から出たといっても油断してはならない。
まだここは会社の隣だから。



「もうすぐで教育係も終わりだな」


「……そうだね」


「なに、寂しいの?」



ふって笑いながら車のハンドルを握る。



「まぁ、なんとなくね」


「教育係じゃなくなれば、茜とのこと隠しておく必要ないとおもうんだよね」


「あ、そっか」



こうしてコソコソと会う必要がなくなるってことか。



「まぁ、すぐにばらすとあれだから少し経ってからにはなるけど。今よりマシだろ」


「社内恋愛が禁止なわけじゃないもんね」


「うん。そのへんはオープンな会社だから」



竜くんは、いままでに社内恋愛をしてきたことがあったのだろうか。
あたしは竜くんのことを知らなすぎる。