その恋、記憶にございませんっ!

「いや、ちょっとこう、確証がなかったのと――」

 なにもなかったのに、なんでこんなことを続けてるのかなあ、と思っていたからだ。

 確証ですか、と呟いた宮本はあの朝の状態を確認してくる。

「朝起きたとき、蘇芳様がいらしたんですよね?
 蘇芳様はどのような状態だったんですか?」

「……私の枕許に服着て正座してましたね」

 手を握って――。

「初めての夜を過ごしたあとの男がそんな格好で枕許に正座してるわけないですよね」

 はあ。
 最初は地縛霊かと思いました、と思っていると、宮本は、
「で、唯様はどのような格好を?」
と更に突っ込み、訊いてきた。

「……普通にパジャマ着て寝てましたね」

 それもおかしいですね、と言いながら、予想通りなのか、宮本は頷く。

「で、唯様が目覚められたあと、蘇芳様はどうされましたか?」

「いやー、あの調子でまくし立てて来て、婚姻届にサインしてあるから、結婚しろと」