その恋、記憶にございませんっ!

 まあ、とりあえず……

「すまん」
とよくわからないまま謝ったとき、宮本が振り向き、言ってきた。

「行きますよ、蘇芳様」

「じゃあ――
 おやすみ、唯」

「……お、おやすみなさい」

 柱の角にでもぶつけたのか、唯はまだ座り込み、俯いていた。