その恋、記憶にございませんっ!

「そういうところが、やはり、お姫様育ちですね。

 コンビニのお惣菜などは、お手軽かもしれませんが、量を抑えて買ったとしても、やはり、自炊の方が安いと思いますね。

 まあ、お仕事などでお疲れの身には面倒臭いことでしょうが。

 お休みの日に、まとめて作って冷凍を……

 冷凍庫、ありますか?
 この冷蔵庫」

 冷蔵庫のあまりの小ささに、それすらもないと思ったのか、板の間に、ちんまりと据えられている冷蔵庫を振り返っている。

 姑がっ。

 姑が居ますよ、此処にっ、と唯は思っていた。

 蘇芳さんには、お母さまの他にも、お姑さんがついているようですよっ。

 男前でお金持ちかもしれないが、そういう意味では、この人、あんまり優良物件ではないような……。

 お嫁さん、苦労するだろうな、と他人事のように思いながら、唯は、

 すみません。
 以後気をつけます、と宮本にペコペコ頭を下げていた。