その恋、記憶にございませんっ!

 そんな他力本願な希望を持ちながら、今、唯と並んで歩けるというささやかな幸せを噛みしめていた。

 それもこれも、この時点では、フライドチキンのおじさんと間違われた男の存在を知らなかったからこそ、抱けた希望だったのだが――。