その恋、記憶にございませんっ!

「そう言えば、よく考えたら、おじい様、一言も発言してらっしゃらなかったような気がするんですが」

 仮にもMIKAMIの会長が、まるで置物のようだった、と思いながら言うと、
「だから言ったろ、うちは代々そうなんだ」
と渋い顔をして、蘇芳は言う。

「何故だかわからないが、女が強いんだ」

 だから、その発言、嫌なんですが、と思っているうちに、家も近づいてきた。

 来たときにも見た海を見ながら唯は思う。

 なんだかんだで。

 まあ――

 いい休日だったかな、と。