その恋、記憶にございませんっ!

 ひょいと白いなにかが木々の陰から覗いていそうではないか。

 すぐそこの木とかに手をかけて……。

 そこで、冊子を閉じ、立ち上がった蘇芳が、
「ところで唯。
 本当に別々の部屋で寝てもいいのか」
と唯を見下ろし、訊いてくる。

 確信犯だっ。

 悪魔だ!
 此処に悪魔が居ますよっ。

 フライドチキンのおじさんだと思って連れて帰ったら、王子の顔した悪魔でしたよっ、と思っている間に腕をつかまれた。