その恋、記憶にございませんっ!

 いや……。
 それ、私に言っちゃ駄目なんじゃないですかね、と思い、聞いていると、翔太が、

「ふざけるな、この無礼者が。
 いつ、唯がそんな訳のわからない男のものになった。

 そいつを此処に連れてこいっ。
 手討ちにしてやるっ」
と騒ぎ出した。

 いやあのー、連れてきたら、まず、貴方の方が手討ちにされると思いますけどね、と思っていた。

 蘇芳と翔太では、ちょっと格が違いすぎる気がする。

 翔太の言動は常に、パニックものの映画で真っ先に殺される人間を思わせるからだ。

 小物感、満載なのだが。

 まあ、そういうところが憎めないところでもあるのだが。

 だが、そんな小物、翔太の前で、宮本は言い放つ。

「よろしいでしょう。
 我が主人、手討ちに出来るものなら、してみるがいい!」

「あ、あのー、宮本さん」

 ほんとに手討ちにされちゃ困るんだけど、と思いながら、呼びかけると、

「……宮本?」
と翔太は眉根を寄せた。