その恋、記憶にございませんっ!

 あの人、普段からなに考えてんのかわかんないもんな。

 そう思いながら、着替えて、冷蔵庫の扉を開けたが、なにもない。

 しまったーっ。
 買い出し行くの忘れてたーっ。

 またコンビニ行ってくるか。

 しかし、世の中、便利になったものだ、と思いながら、玄関に鍵をかけかけた唯はキョロキョロとする。

 何処かで宮本に見張られている気がしたからだ。

 だが、蘇芳が来ていないのに、彼だけ単品で自分を見張りにくることもあるまい。

 そのときは、呑気にそう思っていた。