「親切心からやったことじゃない。
俺がただ、唯と結婚したいだけだ。
だが、そうだな。
これが初恋という奴かもしれないな」
と目を閉じ、呟くと、
「……道端のフライドチキンのおじさんと間違えて持って来られて、なんで恋に落ちるんですか」
と宮本は、いつかの自分と同じようなことを言ってくる。
お前も唯を全否定か……。
自分も、唯にはそんな言い方をした。
だが、本当は――。
あのとき、自分の手を握り歩き出した、唯の手の温かさとその後ろ姿が、今でもまだ、鮮明に自分の中に残っている。
まあ、酔ってたの、あいつだけだからな……。
あれは、フライドチキンの店の近くの自動販売機で炭酸でも買おうと思ったときだった――。
しみじみそんな回想をしている間にも、宮本はロクでもないことを言ってくる。
「いえ、お待ちください。
蘇芳様の初恋は唯様ではないです。
貴方は昔、私を女だと思っていて、私と結婚するんだと言っていましたよ」
「……それは計算に入れるな」
と蘇芳は嫌な記憶を掘り返してくる宮本を睨んだ。
俺がただ、唯と結婚したいだけだ。
だが、そうだな。
これが初恋という奴かもしれないな」
と目を閉じ、呟くと、
「……道端のフライドチキンのおじさんと間違えて持って来られて、なんで恋に落ちるんですか」
と宮本は、いつかの自分と同じようなことを言ってくる。
お前も唯を全否定か……。
自分も、唯にはそんな言い方をした。
だが、本当は――。
あのとき、自分の手を握り歩き出した、唯の手の温かさとその後ろ姿が、今でもまだ、鮮明に自分の中に残っている。
まあ、酔ってたの、あいつだけだからな……。
あれは、フライドチキンの店の近くの自動販売機で炭酸でも買おうと思ったときだった――。
しみじみそんな回想をしている間にも、宮本はロクでもないことを言ってくる。
「いえ、お待ちください。
蘇芳様の初恋は唯様ではないです。
貴方は昔、私を女だと思っていて、私と結婚するんだと言っていましたよ」
「……それは計算に入れるな」
と蘇芳は嫌な記憶を掘り返してくる宮本を睨んだ。



