「柊を呼ぶとかやめろよ」




剛君は言う。




「せっかく俺が二得点を挙げたんだ。

こういう日は、好きな女と一緒に過ごしたいだろ」



「よく言うよ。あたしは柊の彼女なのに」



ぽつりと呟いた。



剛君が戸崎だったら良かった。

必死に試合を頑張って、誇れる結果を出して。

戸崎になら、笑顔でお疲れ様と言える。

すると戸崎はあたしの大好きなあの顔で笑ってくれるんだ。

こんな時にまで戸崎のことばかり考えるあたし。

戸崎への気持ちはどんどん大きくなっていることに気付く。