「じゃ、今日は抱くのは無理だな」



わざとらしく言う剛君に、



「当然でしょ!」



あたしは冷たく言い放った。


抱くとか問題外。

この家の中に剛君がいるだけで困るんだから。




こんな状況で思い浮かぶのは、やっぱり戸崎。

剛君と二人で会ったなんて知ると、戸崎は悲しむだろうな。

それに……戸崎なら助けてくれるに決まっている。




あたしは携帯電話を取り出したが……