「席次表も完璧だし、お花も綺麗だったし!

あとはお金振り込むだけだよね。

ウン百万」



「お前、結構現実的なこと言うな」




柊はそんなことを言うけど……

アスールのエースストライカーである戸崎柊の結婚式は、それなりに豪快なものになってしまった。






「まぁカネは俺が稼ぐから安心しろ」




柊は自信満々に言う。




「家族を持つってことは、こういうことなんだ。

俺はお前のために頑張るんだからな」





その言葉に不覚にもドキドキしてしまう。

柊の得意な無回転シュートのように、あたしの胸を抉っていく。

そんな柊が試合に集中出来るように、あたしは縁の下の力持ちとなって、食事はもちろん精神的にも支えようと思っているのだが……