「それ、本物?」



大迫さんに興味津々で聞かれて、



「残念ながら偽物です」



あたしは苦い顔をした。





そういえば、柊がユニフォームを着ているのを間近で見たのは一度きりだ。

青色のユニフォームを着ている彼を見て、やっぱりアスール東京の戸崎柊なんだとドキドキした。

間近で見たユニフォーム姿、かっこよかったな。

あのかっこいい姿でプロポーズしてくれて……

そんなことばかり考えているあたしは、知らない間に頰が緩んでいたらしい。




「みどりちゃん!

まだ試合も始まっていないのに」




あたしを見て笑う舞さんの様子ではっとした。