「戸崎、ありがとう」




笑顔で言うと、奴は頰を染めてそっぽを向く。

戸崎は意外と照れ屋だ。

そんな照れ屋戸崎はまた、



「だから、戸崎やめろって」



なんて言った。



あたしもね、柊って呼びたい。

でも、なんだか恥ずかしいんだ。




だけど……




「柊……」




真っ赤な顔でそう呼ぶと、真っ赤な顔であたしを見てくれる彼。

そのまま、



「お前……オトコオンナのくせに、マジで可愛いな」



ぎゅっと抱きしめられる。

大好きなその腕の中で、今日も幸せを噛みしめた。






そうだね。

あんたの言う通り、そろそろ戸崎も卒業しないと。

あたしたちは、夫婦になるんだから。