「俺が出るから」




そう言い残して開かれた扉から……




「あれ?みどり、いねぇの?」




久しぶりに聞く剛君の調子のいい声が聞こえてきた。



嫌な予感は当たるものだ。

戸崎がいてくれて、本当に良かった。





「いねぇよ。

てか、いてもお前には会わせねぇよ」



超嫌そうな戸崎の声と、



「またまたぁ!

お前、マジでみどり好きなんだな。

今日はせっかくマキを連れて来たのに」



からかうような剛君の声がする。

そして……



「久しぶり、柊」



初めて聞く女性の声がした。




鼻に付くような甘い女性の声。

胸がずきんとする。

さらに嫌な予感がした。