「その原理?根拠?みたいなのを是非とも教えて欲しいな」

「無理です。直感も推測も自分で培うものであって人から教えてもらって分かるものではありません」

わたしだって好きで身に付けた直感や推測ではない。

そのようにしなければ生きていくことが出来なかった。

ただ、それだけだ。

「本当は別の用事で私をストーキングしていたはずです。手短にお願いします」

「なるほど、君は他の女の子とは違って直ぐに結論を求めるんだな」

先生はわざとらしく驚いたような表情をしている。

「ならば単刀直入に聞こう。入学して6か月の間で一体、何があったんだ?」

何故、入学してから問題があったと気付いた?

きっと、和田先生からの情報だと思うが、あれは誰も気付かれていないはず。

あぁ、そっか。

友人関係が変わったから先生も気付いたんだ…迂闊だったなぁ。

「和田先生に聞いたんですか?」

「その通り」

「言うつもりはありません。貴方に答える義理がありませんし、たとえ先生であっても私のプライベートは守られるべきです」

誰にも言うつもりはない。

言っても解決する訳ではない。

だったら、無駄な労力は避けたい。

この人だっていつかは私を裏切るんだ。

無駄に心を開いて、挙げ句の果てに傷つくのは誰でもなく私自身だ。