どうして君を好きになったんだろう

その言葉通り遼君は手馴れた手つきで浴衣を着せてくれた。


「・・・・・凄いね。早い。」


「まーね。これでも家継ぐからな。」


「そうなんだ。」


「はい、完成!!どうよ?似合ってるんじゃん?」


鏡の前に立って自分の姿を見る。


「・・・・・・凄い!私じゃないみたい。」


私がそう言って振り返ると、そこには浴衣を着た璻の姿。


「えっ!?璻!?・・・・・・浴衣。」


「似合ってるじゃん。大丈夫だよ。」


そう笑った璻に私はドキッとして顔が赤くなる。


なんでかな。


璻に褒められると嬉しいのに、恥ずかしい。


「璻も自分でできるんだね。」


「遼がしてくれるの見てたら覚えたんだよ。客寄せの時も自分でやるし。」


「・・・・・・遼君の言った通り高校生には見えないかも。・・・・・・大人みたい。」


「それって褒め言葉でいいの?」


私ははっとして口を押さえた。


今、めっちゃ恥ずかしいこと言ったかも。