どうして君を好きになったんだろう

「え?怜香出来るの?」


「・・・・・・無理。やったことない。」


「でしょ?ほら、ここに座って。」


私の前に椅子を持ってきて、ヘアゴムやピンを用意し始めた。


隣の部屋から大きめの鏡を持ってきてテーブルの上に置く。


「これって、彩芽ちゃんの?」


「うん。本のお礼に使ってもいいだろ。」


あっ、許可は取ってないんだ。


「じゃあ始めるぞ。動かないでじっとしてろよ。」


そう言って私の髪をくしでとかし始めた。


璻の手が私の髪に優しく触れてドキドキする。


なんか、恥ずかしくて下を向いていると顎を持って前を向かせられた。


「見えないから。ちゃんと前見て。」


「うん。/////」


璻は真剣な顔で私の髪を三つ編みにしたり、髪を巻いていたりしている。


いつもとは違う表情にまたドキドキする。


「・・・・・・・人を見た目で判断しちゃダメだね。」


私がそう言うと璻の手が止まった。


「・・・・・え?」