どうして君を好きになったんだろう

「え?どうしてそんなこと、言い出したんですか?」


私は平常心を装って聞いた。


何、言われるの?



「俺が噂に聞いたやつと少し似ててさ。違うならいいんだけど。・・・・・・あんな奴らと関わったら、評判どころか周りから目つけられるに決まってる。・・・・こことあっちは全然違うんだよ。」



後半は私の目を見てはっきり言い放った。



私に、警告しているような。



冷たい口調で、軽蔑でもしているかのような目で。



「・・・・・・・あははは!そうですねー。私がそんな人と一緒にいたわけないですよ!なんか友達の知り合いで、忙しいから私が案内してただけです。大丈夫ですよ。」



私、なんで笑ってるの?


何が大丈夫?


噂?璻の噂って何?


評判下がる?


周りから目をつけられる?


こことあっちは全然違う?


思うことはたくさんあって、



言い返したい言葉もたくさんあって、



私の頭は混乱してあの後何も言えなかった。


「俺クラスのほう手伝って来るから怜香ちゃんも後終わりにしていいよ。」


「はい。分かりました。」


会長が教室を出ていった途端



私は地面にしゃがみ込んだ。




会長の言ってることは、分かる気がする、、、




でも、違うの。



今は



私の中でいつの間にか変わっていたんだ。



そりゃ最初は璻といるのが怖かった。



進学校に通う私がこんな不良と一緒にいるなんて。


周りの目をいつも気にしてた。


でも、今日一緒にいて璻の存在が私の中で変わっていったんだ。