どうして君を好きになったんだろう

周りは私たちの声も聞こえないほど賑わっていたから良かった。


周りを見ていると璻と視線が合う。


「ん?何かした?」


「・・・・・・・・・いや。なんでもない。」


「そう?」


璻が一瞬悲しそうな顔に見えたけど、普通に話すから見間違いかな?


私たちは教室を出て学校を回る。


「・・・・・璻?楽しい?」


「うん。・・・・・・・楽しい。俺達の学校と全然違う。」


「そりゃそうだよ。・・・・・でも学校に璻がいるのってなんか不思議。」


私がそういうと璻が何か思い出したように言った。


「っていうか、本!!怜香持ってきた?」


「あっ、忘れてた!!でも大丈夫。持ってきたよ!」


「マジ!!良かったーー。」


璻がほっとしたように息を吐く。


「でも生徒会に置いてたから取りに行かなきゃ。璻はどうする?」


「俺も行くよ。」