「そうだ。璻君だ。ていうか変わってるって何?」


「え?だって普通頭いいやつっていい子ちゃんに見られたいんじゃないの?」


そう言ってベンチに座る璻君。



「私は嫌だよ。そんなふうに思われたくない。・・・・・・・てか、何でここにいたの?」


「怜香こそ、何でここにいたの?」


「呼び捨てなの?」


「いいじゃん。初対面じゃないし。」


「まぁ、いいけどさ。私は塾の帰りだよ。先生と話してたら遅くなったの。」


「へー。やっぱり真面目だな。この時間危ねぇよ。この当たり。」


私が璻君の言葉にぽかーんとしていると何っていう顔で見られた。


「・・・・・・・不良なのにそんなこと言うんだと思って。グルなのかと思っちゃった。」


「ひでーな。あいつらと一緒にすんなよ。」


「ごめん。」



「そんなにかしこまんなくていいけど。まぁ、人なんてみんな見た目だもんなー。」


そう言って背伸びをする璻君。


その表情はどこか寂しそうに見えた。